247 今年度最終日に2人の教頭を見送る



今日は平成27年度の最終日でした。


「最後の日」だからと言って、いつものように書類はどんどん回って来ますし、電話やメールの数もいつもと変わらず、ひょっとすると多いくらいです。

ただし、いつもと違うのは、電話やメールの中に「お世話になりました」というものが含まれていること、そしてこの日にしか行われないことがあることです。


定年退職をする皆さんに退職辞令と永年勤続の表彰を行いました。

事務室で異動する皆さんに送別の式を行った後、転出する2人の教頭さんを学校全体で送り出しました。





私の背後では、たくさんの教職・生徒が拍手をしています。

教頭さんたちが出て行くと、待ち構えていた吹奏楽団の生徒が、アーチを古城の門まで作って送り出しています。





つくづく、本当にいい学校だなあと思います。


さて、皆さんには、今年度1年間、校長ブログをご愛読いただき、ありがとうございました。

なんとか1年間書き続けることができました。


県職員・教員は、いや民間の組織も多くがそうだと思いますが、異動や退職をする人には内示や辞令が出て、そのまま同じ職で同じ場所に勤務する人には正式には何も出されません。

私のところには今日に至るまで何も届きませんでしたし、後任の人事も発表になっていませんので、来年度も上田高校でお世話になります。

私にとってはとても嬉しく、ありがたいことです。


この校長ブログは来年度も続けたいと思っています。

ただし、今年度のように「授業日原則毎日」ではなく、タイミングを見て「適宜」とし、出来るだけ多く書きたいと思っています。

タイトルは、「上田高校校長ブログ Carpe diem ー今日の花を摘めー 2016」としました。

今年のタイトルに「2016」を加えました。

近々学校のホームページからもアクセスできるようにしますが、次年度になりましたら、ぜひネットで検索してみてください。

不定期になりますので(逆に授業日以外については増えるかもしれませんが)、メールによるお知らせを登録していただくか、時折覗いていただければ幸甚です。


ご愛読いただいている皆さんの中にも、明日から住む場所や通う場所など、環境が変わる方がたくさんいらっしゃると思います。

くれぐれも健康に留意され、ますます豊かで幸せな日々をお過ごしください。


次年度も引き続きよろしくお願いします。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月31日20:55

246 今年度を終業し教職員が離任する



今日は定時制が再募集を実施し、並行して全日制は大掃除・壮行会・終業式・離任式を行いました。


新聞にも載りましたが、年度末、全日制は教頭さんを含めて11人、定時制は教頭さんのみ1人、計12人が転退職になります。


終業式に先立って、2月に行われたアンサンブルコンクール東海大会で5位という素晴らしい成績をおさめ、今月末に福井県で行われる中日個人重奏大会本大会に3組が出場する、吹奏楽班の壮行会を行いました。



(生徒会長激励)


(応援。祝うかのようにこの頃から陽が体育館に射し込み始めました)


続いて全日制終業式の校長講話を行いました。

講話の内容は近々学校ホームページに掲載したいと思います。


最後に全日制離任式。



(斉藤教頭挨拶)


(本校の伝統、卒業生もギャラリーに)


(演奏しながら歌を歌う先生と手拍子する生徒たち)


(「最後だから正直に。勉強があまり好きじゃない人?」と質問した先生)


(生徒会から贈られた花束を手にする離任教職員)


離任する先生たちも口々に言っていましたが、上田高校は本当にいい学校です。

壮行会開始から離任式終了まで約1時間半、身動き一つせず、食い入るように見つめ、話を聞き、自然発生的に拍手や手拍子をし、笑う時には声を出して笑い、校歌を大きな声で歌う。


夕方から行われた職員送別会も、宴席なので写真は載せませんが、かつてない人数の出席者で温かく大いに盛り上がって離任者を送り出しました。


これまでも考えて来なかったわけではありませんが、気持ちが大きく来年度に向き始めました。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月24日22:12

245 桜の蕾膨らむ



この写真だとわかりにくいですが、古城の門の前の桜の蕾がだいぶ膨らんで来ました。





昨年4月の入学式は、写真屋さんによるとここ20年で2回目の、桜の花と新入生が一緒に写真におさまるという貴重な年になったのですが、今日日本気象協会が発表した開花予想によると、上田城跡公園は4月2日になっています。

上田高校の新年度の入学式は4月6日ですので、予想どおりなら今度の4月もまた満開の桜の花が新入生を迎えてくれそうです。


今日全日制は、特編授業最終日で、午後、本年度最後の職員会議を行いました。

今年1年間の職員会議や熟議の議論を踏まえて、私から「上田高校の教育が目指すもの」というまとめのプリントを出したほか、補充的授業に関して真摯な意見交換が行われました。

どの意見も前向きで、気持ちのいいものでした。


日曜日に室内楽班の定期演奏会が行われたことはすでにこのブログで触れましたが、『信州民報』の火曜日版で記事になりました。








明日はいよいよ全日制の終業式・離任式、並行して定時制の高校入試再募集が行われます。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月23日22:21

244 梅の花咲く日に2つの行事を行う



少し前から咲いていたのかもしれませんが、気付いたのは今朝でした。

学校に梅が咲いています。





上田で3月を過ごすのは本当に久し振りなので、今年の気候からして例年よりひょっとすると少し早いかもしれないとは感じてはいますが、いずれにしても、いつの間にかそんな季節を迎えています。


先週末は、土曜日が学校で終日仕事、日曜日には東御市サンテラスホールで室内楽班の定期演奏会、昨日は長野市で長野県高等学校英語研究会の設立総会と、この三連休は家にいませんでした。


今日は全日制は4時間の特編授業、午後は2年生の「社会と情報」(来年度から「グローバルスタディII」に変更)の1年間の集大成の発表会で1・2学年の生徒全員が体育館に集まりました。





生徒たちが進行し、生徒たちがプレゼンし、生徒たちが拍手によって慰労し、互いに評価し合うという会で、今やこういうことがすっかり当たり前になりました。

新入生は別ですが、4月・5月から7月くらいまでは、英語で話す私を含めた教員や仲間たちに違和感を感じてざわついていたそれまでの生徒たち(2年生)も、英語による進行やプレゼンが当たり前になりました。

すごい進歩です。


今日はこの後、今年度最後の学校評議員会があり、見られる方にはこの発表会も見ていただきましたし、年間の本校の取組について関係者評価も行っていただきました。

こういう学校関係者や外の方々との関係もまたすっかり当たり前になりました。


人前で話すこと、学校に外から人がやって来ること、あるいは外に出掛けて行くこと、その人たちと交流すること、こういうことが生徒も教職員も日常的に当たり前に行われる学校になりつつありますが、そういうことによって上田高校がもう一段高いステージに上がれるのではないかと思っています。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月22日21:51

243 後期選抜合格発表を行う



全日制は4時間の特編授業でしたが、並行して全定とも高校入試後期選抜の合格発表を8時半から行いました。








かなり早い時間から受検生やその保護者と思われる人たちが集まっていました。

授業と並行して行い、校地内への合格者の掲示だけでなく、ホームページへの掲示、書類の発送、中学校への連絡といったことも並行して行っていて、さらには来校者の多くが「口頭開示請求」と言って、学力検査の点数や面接(定時のみ)の評価を並んで聞いていくという日ですが、受検生やそのご家族にとってはとても重大な日ですので、本校の教職員はそのことを十分わかった上で、出来るだけ丁寧に応対をするようにしています。


午後には、1年生の小林君が中学校時代に描いた絵が、教育公務員弘済会長野支部が作製する『2016教育カレンダー』の12月の絵として採用になったということで、支部役員の方が、表彰状と副賞、カレンダー5部を本人に贈るために来校しました。

カレンダーは、県内すべての学校と教育団体に配付されるとのことです。


また、JICA駒ヶ根の仁田所長さんが今年1年間の御礼と来年度のことを話しに見えました。



(今朝異動が報道発表になった全日制の斉藤教頭と3人で)


夜はとてもお世話になった人の送別会が長野市であったため、いつもより学校を早めに出ました。

もちろん寂しさもありましたが、会自体は、送られる人の人柄が出たとても楽しく和気あいあいとしたものでした。



  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月18日23:56

242 台湾から来客がある



今日は全日制が4時間の特編授業でした。


午後一番には、台湾から来客がありました。

正式名が「台北駐日経済文化代表處」という台湾の駐日施設の教育組(教育部)の林(りん)組長(部長)と黄さん、そして長野県観光部の恵崎さんの3人です。

台湾からの学習旅行で本校に世話になっているから、ということでお見えになったのです。





ひとしきり話が盛り上がった後、プレゼントの交換を行いました。




林部長は日本に留学していた経験があり、日台両方の事情にとても詳しいので、来年度、本校として初めて台湾に研修旅行に行く前に、生徒を対象として話をしていただくようにお願いをしました。


全日制ではもう一つ、午後3時半から生徒の自主的な企画が行われました。

市内で行われた大学生の企画に参加した上田染谷丘1名、上田3名、計4名の3年生が、自分たちが得たもの、感じたことを後輩に伝えたいと、両校の先生に相談しながら進めた「Know&Think」というワークショップです。

4人が講師となり、本校同窓会館で高校生を対象にグループワークを行うというもので、高校生が16名、染谷と本校約半々の参加者がいたと聞きました。


生徒たちの主体的な活動が教員の理解と支援のもとに次々と行われるようになってきました。

素晴らしいことだと思います。


定時制は、終業式と離任式を行いました。


終業式の校長講話です。





生徒たちはいつもこんな感じで真剣に話を聞いてくれます。








講話の内容は本校の公式ホームページに掲載されています。


続いて行った離任式で生徒に送られたのは土屋教頭さんです。





生徒会からお礼が送られました。





3年間本校に勤務され、先日新聞に顔写真入りで出ていたように、4月からは小海高校の校長として異動します。

実際にあった手紙を例に挙げて、「目の前にあるドアを開ける勇気が大事。ドアを開けて無理だと感じたらドアを閉めればいい。失敗することは恥ずかしいことではない。チャレンジしないことを恥ずべき。」と生徒たちに熱いメッセージを送っていました。



  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月17日22:39

241 フィリピンからの帰国報告を受ける



今日から全日制は、入試業務と並行して、1・2年生の特編授業(今回は4時間)を再開しました。

24日の終業式・離任式の前日まで続きます。


その初日の今日、2学年(新3学年)は、学研から講師を招いて、3・4時間目に全員を対象に「小論文講演会」を行いました。

毎年この時期に行っているようですが、内容はその都度変えてもらっていて、今年はグローバルの視点とアクティブラーニングの演習を取り入れてもらったようです。


午後は全日制の成績会議(進級判定会議)と職員会議を行いました。


さて、フィリピンスタディツアーに行った26人のうちの2年生7人全員が揃って校長室に帰国報告に来てくれました。

始業前ということもあり、時間は僅かでしたが、1人ずつしっかり感想を述べていましたし、私からの質問に対しても間髪を容れず明確に答えるなど成長ぶりを感じました。








お土産をもらいましたが、車の木の模型は、ジープニーとかいう車のそれだそうで、参加者からのメッセージが書かれていました。








本校で行うSGHの様々な取組は、事前・事後学習をしっかりやっていることの意味もそうであるように、「いい経験になったね」では、意義はないとは言いませんが、勿体ないし不十分だと考えています。

生徒たちには、今頭や心の中にあるたくさんのモワッとしたもの(漠然としたもの)をしっかり意識化し、言語化してほしいし、フィリピンで実現できた「強い学び」を、授業をはじめとして生活の中でこれからもしっかりと続け、さらには「深い学び」に繋げてほしいと伝えましたが、1年生を含め、今回参加したメンバーが、フィリピンという非日常で体験したり感じたりしたことを、これからの日常でどう還元できるのか、日常をどう変えるのか、ということが本当の意味での「肝」だと思っています。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月16日21:41

240 日本教育新聞に載る



今日は昨日から一転していい天気になりました。


今日も全定ともに入試業務を行いました。

生徒は校舎内には入れませんが、班活動で結構登校しています。


フィリピンスタディツアーから戻った引率の先生と話しました。

やはりとてもいい研修になったようです。


さて、3月14日発行の『日本教育新聞』に上田高校を取り上げた記事が大きく載りました。





『日本教育新聞』は普通の新聞の大きさで、公称約24万部発行されている、教育界ではとても有名な全国的な新聞です。

わざわざ東京から記者が、2月10日に上田市中央公民館で行った本校のSGH報告会に来て、終日取材し、併せてインタビューもしていったものを今号にまとめていただきました。


ありがたいことです。


ここでは新聞記事のタイトルだけ紹介します。


グローバルな視野で「いのち・健康」を探究
長野県上田高校
全生徒参加型のSGH
興味に応じたテーマ深め
進路意識高まる/他者との関わりに自信/「伝わる英語」へ意欲
留学生との交流 海外への研修も


写真は2枚、1枚はプレゼンテーションでクイズを出して会場を盛り上げる場面、もう1枚は豪華パネリストによるパネルディスカッションの場面です。


ぜひお読みください。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月15日22:37

239 また雪が降る



また雪が降りました。


この1週間に3〜4回、この時期にしてはかなり頻繁に降っていて、3月というより1月頃のような天候ですが、違うのは雪が湿っていて重く溶けやすいことでしょうか。


上田高校のロータリー脇、倉庫前の植え込みの様子です。





さて、本校の大きなイベントの1つ、フィリピンスタディツアーの一行が、日曜の夜遅くに日本に帰って来ました。


体調を崩した生徒もいたと聞いていますが、その生徒も帰国前には一団に復帰し、全員揃って帰国できました。

それも含め、普通では経験できない、いい経験になったと思います。


フィリピン最終日、帰国前日は、ICANの児童保護施設「こどもの家」を訪問し、子どもたちと歌を歌ったり、ゲームをしたり、日本を紹介するプレゼンテーションをしたり、演劇やダンスを披露したりして交流しました。











こどもの家を去るときには、すっかり仲良しになり、子どもたちも生徒たちも別れ難い様子だったようです。


ホテルでの最後のシェアリングには、この時期にフィリピンに滞在している、大阪大学大学院教授でデラサール大学客員教授の竹内俊隆先生と、ジャーナリストの和田等さんという2人の上田高校OBをコメンテーターにお迎えしました。

生徒たちは1週間の滞在で、感じたり考えたりした多くのことを率直に出し合いました。

「強い体験」を語りながら、感極まって涙をこぼす生徒も見られたそうです。

2人のゲストからは、厳しくもあたたかい助言やエールをいただきました。


一方、今日の上田高校は、生徒は校舎内立入禁止、入試業務を行いました。

校舎内には入れないものの、あちらこちらで班活動を行う生徒がたくさんいました。


私は、午後からはそんな学校を離れ、長野市で行われた、新県立大学の設立委員会に出席しました。

長野の方が雪が少なく、雪はほぼ雨になっていました。


大学名は「長野県立大学」に決まり、学費や大まかな入試システムも決まりました。

全国的に入試制度が変わる直前の平成30年4月開校です。

これまでにない斬新な取組にもチャレンジして、いい大学になってほしいと心から思っています。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月14日21:44

238 今日もフィリピンから便りがある



今日は3月11日。

東日本大震災から5年が経ちます。


卒業式の式辞でも触れましたが、被災したり大切な人を失ったりした人々の気持ちや願いはどれだけ叶えられているのでしょうか。

いろいろと難しいことはあると想像できますが、未来に向かって少しでも、こういった人たちが「ありがとう」「お陰様」と言えるようなことが積み重なればいいなと思っています。


よく考えたら昨日も一昨日もそして今日も「生徒登校日」ではないので、このブログも必ずしも書かなくてよかったのですが、普通に書いていましたね。

そのことに今日気付きました。


今日は、入試業務を行いつつ、定時制の職員会議を行いました。

生徒たちは校舎内に入ることはできませんでしたが、今日は結構な数の生徒が班活で登校していました。


さて、フィリピン便り。

昨日の午前中はグレイスという公営の高齢者の一時保護施設を見学、午後はCOSEという高齢者の活動を支援しているNGO団体と実際に活動している高齢者の方を訪問、健康や高齢者の問題などについてプレゼンテーションをし、交流を深めました。



(生活習慣病に関するプレゼン)



(フィリピンと比較した高齢者問題に関するプレゼン)


今日はJICAとヤクルトを訪問し、夕飯は有名なラーメンの一風堂。



(宿舎で1日の振り返りと共有化)


明後日には早いもので一行が日本に戻って来ます。

気をつけて帰って来てください。

「土産話」を楽しみにしています。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月11日22:35

237 今日も後期選抜を実施する



今日も定時制は後期選抜、面接を実施しました。


昨日の雪の影響が心配されましたが、今朝の古城の門は下の写真のような状況で、天気もよく、影響なく行うことができました。





もっとも、夜になると上田ではまた雪が吹雪くように降っていました。


国公立大学の前期日程も、今日までにすべての大学から発表があり、今日時点での本校のおおよその国公立、私立の大学の合格状況が判明しましたが、この後、国公立大学はさらに中期・後期日程の試験があります。

受験生には、最後まで粘り強く頑張ってほしいものです。


さて、今日もフィリピンスタディツアー一行から連絡がありました。

今日から全員同じ日程での行動ですが、昨日は2班に分かれ、片方の班が、ストリートチルドレンの保護施設とKALYE CAFEを訪問・交流しました。


(一緒にパン作り)



(現地の子どもたちへプレゼンテーション)


35℃を超えるような日だったそうですが、その後、両班ともにアイキャンのマニラ事務所に移動し、1日を振り返って、感じたことや学んだことを共有し合いました。

みるみるうちに生徒たちのノートが埋まり、皆、あふれるような気持ちや感想を積極的に述べ合いました。

引率の先生たちは、日を追うごとに考えが深まり、成長していく生徒たちの様子がはっきり見て取れると言っていました。


フィリピンの夜空にはカノープスという明るい星が輝いているそうです。

南半球では見えるけれども日本を含めた北半球ではなかなか見ることができない星だそうで、中国では目にすると良いことが訪れると言われているようです。

上田高校の濠のナマズも同じです。


慣れない環境、緊張、食事や飲み物の違い、疲労、そして高温と、体調を崩しやすい状況ですが、あと少し、体調管理に気をつけて、得ることの多い研修にしてほしいものです。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月10日21:52

236 学力検査を行う



後期選抜学力検査が実施されました。





朝から雨模様、後に雪に変わり、生憎の天気でしたが、朝の一番大変な時間帯が雪でなかったこと、すごく寒いわけではなかったこと、1人も遅れた生徒がいなかったことはよかったと思います。


駅を利用していた卒業生向けの「洒落た」文言が駅に掲示されたことが最近ネット上で話題になっていましたし、県内の駅にも大学受験生向けに激励文が掲げられたりしていますが、今朝のしなの鉄道の電車の中でも、上田駅に着く時に「受検生の皆さんのご健闘をお祈りします」というアナウンスがあって、そういう点、受検生は注目されて恥ずかしいかもしれませんが、世間が「粋」になってきたなあと思いました。


受検生の皆さん、緊張の中、学力検査、お疲れ様でした。


定時制は、明日は面接があります。

雪が夜には上がりましたが、少し積もりましたので、気を付けて来校してほしいと思います。


さて、フィリピンスタディツアー一行からまた写真が届きました。

パヤタスのゴミ山では健康被害が発生していて、本校の今回のスタディツアーのサポートをしてもらっているICANもそこに住む人たちの支援活動を長年行っているわけですが、下の写真は、健康被害に対する地域診療所を共同して運営している母親たちに、生徒たちが自分たちの紹介をしたり今回の研修の目的など話している場面です。




こちらは、現地の住民に対するプレゼンの様子です。





彼らには、引き続き、現地でしかできない、「強い学び」「深い学び」を期待したいと思います。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月09日23:45

235 受検生頑張れ



暖かい日になった今日は全日制のみ登校日で、3時間の特編授業を行った後、掃除と明日の会場作りをして生徒は下校しました。

その後、教員がさらに会場を作り、全・定で明日の学力検査の打ち合わせをし、全日制はその後職員会議を行い、定時制は面接検査の会場作りを行いました。


先生たちは細かい所にまでこだわって明日の準備をしていました。

生徒昇降口にセットした受付です。




さあいよいよ明日は学力検査です。

不安もあると思いますが、落ち着いて、これまで準備してきたことを存分に発揮してもらいたいと思います。


今日はSGHで活躍した卒業生が大学合格の報告に校長室に来てくれました。

本校SGHの「大学生アドバイザー」もお願いすることになりそうですが、他にも「色んなことをやります」と言っていました。

楽しみな卒業生たちです。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月08日21:54

234 フィリピンへ飛び立つ



今日全日制は特編授業、定時制は今日まで指定者の特別補習です。


高校入試の後期選抜が明後日に迫って来ました。


先週から国公立大学の前期の合格発表が始まっていますが、本校生が受験している多くの大学の発表は土曜日くらいから徐々に始まり、今日・明日くらいがピークで、水・木に何校かあるという感じです。

すべての連絡が生徒から来ているわけではありませんし、受験は後期も含めて長丁場、まだまだ続きますが、大雑把に言っていい感じのスタートが切れているようです。


さて、26人の生徒をコーディネーター含め4人で引率するフィリピンスタディツアーは、日曜日に上田を出発し国内で1泊、今日成田空港からフィリピンに向けて飛び立って行きました。

成田空港の様子がメールで送られて来ましたので、掲載します。








その後、マニラに無事着いたという連絡が届きました。


今日の最後の話題、海外の大学に志願中の3年生(卒業生)が、卒業式に挨拶できなかったからと、わざわざ校長室に来てくれました。

国内の国公立を受けている生徒だと今はなかなかそこまでの余裕はないと思いますが、彼女は在学中に校内外の様々なことにチャレンジし、3年の夏休みに京都で行われた1週間の合宿に参加して小論文のノウハウを現役海外大学生に学び、願書などもしっかり書き、「外国人」に求められる英語の試験のレベル(これが結構高い)をクリアして(受からなければ今度は大阪まで行って受験するつもりだったと言っていました)、後は卒業時の成績の審査というところまで来たのです。

海外に行こうと思った理由、大学で学びたいこと、海外の大学の仕組み、「留学フェローシップ」での大学生との出会いといった現在に至る経緯、などを話して行きました。

海外へ行く前、夏までに、彼女なりに企画していることがあって、すでに社会人(大人の人たち)の協力も得始めているそうで、実現しそうになったらこのブログでも紹介したいと思っています。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月07日22:30

233 フィリピンスタディツアー最終ミーティングを行う



今日は昨日同様、全日制が55分×6時間の特編授業、定時制は指定者の特別補習を行いました。

その合間をぬって、定時制の職員会議があり、また、先生たちとの個人面談も続いています。

教員は全・定合わせるとかなりの数になりますので、面談はなかなか進みませんでしたが、ようやくあと少しというところまで来ました。


さて、フィリピンスタディツアーの出発が日曜日に近づいていて、今日は最終ミーティングを視聴覚室で行いました。



(校長激励)


これまで、準備(学習)に費やした時間は一体何十時間、いや何百時間でしょうか。

さあ、いよいよです。

今日はスケジュール、持ち物などの最後の確認と、生徒それぞれの担当からの提案・確認などを行っていました。


古城の門の前で、出発前学校で最後の記念撮影です。





第一が安全、次が健康、そして次が研修です。(どこかに同じことが書いてあったような…)

期待するのは、いつも言っている、強い学び、深い学びです。

たくさんのことを学んできてほしいと思います。


夕方からは同窓会の理事会が開催されました。

その中で、今週の、卒業式で全卒業生が頂戴したノート型証書入れや卒業生による進路講演会をはじめ、今年1年間の礼を述べ、学校の近況を報告しました。

今年度の事業報告・会計報告、次年度の事業計画・会計案などに加えて、同窓生がプロデューサーをつとめ、上田でロケが行われる、映画『山極勝三郎物語』のことなどが話題になっていました。

本校の系列に連なる、ノーベル賞候補者だった山極勝三郎博士。

『真田丸』に加えて、楽しみがもう一つ増えました。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月04日21:54

232 志願変更を締め切る



今日は桃の節句、雛祭りです。


昨日の卒業式から一日明け、全日制は55分×6時間の通常日課による春の特編授業(今日は7時間目にロングホームルームあり)が始まり、定時制は指定者対象の特別補充授業が行われています。

「ハレ」・「非日常」から再び「日常」に戻り、1年後の「ハレ」に向かう日々が始まりました。

2学年は「3年0学期」(受験に関して2年の正月明けをこう呼んでいます)から3年前期に向かうに当たって、ロングホームルームの時間に学年集会を開いていました。


さて、今日の正午で高校入学者後期選抜の志願変更を締め切りました。





今回、本校では志願変更期間中の動きはそれほど大きくはなく、最終的には、全日制が募集320に対して志願363、定時制が募集23に対して志願11となりました。

本校のホームページにも、県教委のホームページにも、今日現在の状況が掲載されています。

明日の新聞にも載ると思います。

学力検査は9日(水)、定時制は翌日に面接も行います。


さて、全日制生徒会誌『松籟』(しょうらい)が卒業式直前に発行されました。





年刊誌で号数が「63」とあります。


新制高校(上田松尾高校)になった年(昭和23年)からだと68でしょうし、上田高校に校名変更した年(昭和33年)からだと、松尾祭や私の年齢と同じ58のはずです。

なぜ63なのか?


こういう時に頼りになるのが『長野県上田高等学校史』です。

その「高校第一編」を見ると… ありました、「『松籟』の刊行」という項目が。

「昭和18年度の『報國團誌』を最後に、年ごとの学校の活動を記録する冊子の刊行が中断して久しかった。27年度に生徒会誌の第1号が『生徒会雑誌』という名称で誕生した。翌年名称を『松籟』と定め、以降毎年刊行される。『生徒会雑誌』は編集後記に「後日これに続く号が発行された時良い名称が与えられることを希望する」と自ら暫定的名称であると称しており、通常は『松籟』の「第1号」とされている…」

この後、発行に当たって、当時の生徒会長(矢島薫氏)の原稿をめぐる学校とのやり取りが書かれていて興味深いのですが、第1号の発行年とは直接関係がないので今回は省略します。

何れにしても、昭和27年度を第1号として、今年度で63号ということのようです。


今年は『松籟』の巻頭言を、ずっとそうだと聞いたので、「卒業生に贈る言葉」というタイトルで寄稿しましたが、前述の校史には「(第1号の)中沢校長の「巻頭の辞」に、編年体風の「1年の歩み」が続き…」とあって、第1号は、目次は現在と大きくは違わないものの、校長の言葉は「巻頭の辞」であったことが書かれていますし、遡って調べてみると、53号以前の巻頭言は「卒業生に贈る言葉」ではないことを発見しましたので、もちろん「卒業生に贈る言葉」でもいいのですが、来年は(その時まで覚えていたらですが)違うタイトルにしようと今から企んでいるところです。

今日は、この「卒業生に贈る言葉」を、少し長いですが、ブログに掲載したいと思います。

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         「卒業生に贈る言葉」

                           校長 内堀 繁利


 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。中学生の時に本校を志望し、一生
懸命勉強して入学し、本校で高校生活を送ってきた皆さんが、この日を迎えられたこ
とが何より嬉しく、一緒に喜びを分かち合いたいと思います。

 さて、高校卒業というのは、人生の大きな節目・転換点の一つです。
 中学生の進路選択は、一部の生徒が家を離れて高校の寮に入るとか、就職すること
はあるものの、大多数の生徒にとっては、通える範囲のどの高校に行くかというもの
であったと思います。高校生は、上級学校への進学一つとっても、四年制大学、短期
大学、専門学校、大学校などの校種があり、またその中に多くの専攻・専門があり、
場所も、家から通える所、県内、県外、あるいは海外と幅広くあり、さらには進学に
加えて、浪人、就職、何らかの目標実現のためのアルバイトといった路を選ぶ人もい
て、中学校卒業後わずか3年で比べ物にならないほど多種多様な選択肢が考えられま
す。たまたま本校全日制卒業生はその多くが国内の四年制大学へ進学するか翌年の進
学を目指して予備校に進むという実態はありますが、世の高校生全体を見れば、今言
ったような様々な選択肢の中から自分で選んだのが、実際の皆さんの進路先というこ
となのです。上級学校を卒業する時にはさらに多くの選択肢があると思いますが、こ
の「多様な選択肢から選べる」というのが成熟した現代の日本社会に生まれた皆さん
の特権なのです。「どうしよう。困った」と思うかもしれませんが、逆に、戦時中の
日本や現在貧困に苦しむ国の若者のように、選ぶ余地がなかったらどうだろうかと考
えてみてください。自分で選べるということがとても幸せなことだと思えるでしょう。
皆さんには、進学した後も、就職した後でさえ、これからの人生、常に自分の意志で
選べるという特権を持ち続けているということ(そしてその選択については最終的に
は他でもない自分が全責任を負っているということ)を覚えておいてほしいと思いま
す。

 アメリカ、デューク大学のキャシー・デビッドソン氏は、2011年8月、ニュー
ヨークタイムズ紙のインタビューで、「2011年度にアメリカの小学校に入学した
子どもたちの65%は、大学卒業時には、今は存在していない職業に就くだろう」と
語っています。
 2014年にオックスフォード大学のオズボーン准教授が発表した『雇用の未来―
コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文では、米国労働省が定め
た702の職業をいくつかの項目ごとに分析した結果、47 % が10~20年後に
は機械によって代わられると述べています。
 日本に関しても、2015年12月に野村総合研究所が、オズボーン准教授らとの
共同研究で、あくまで技術的な代替可能性としながらも、10年から20年後に、今
ある職業601種類のうち49%が、機械や人工知能によって代替することが可能だ
と発表しました。

 これらのデータを示して何が言いたいかというと、今ある職業がこれからもあると
は限らないし、入社後も自分の仕事が機械や人工知能に代わられる可能性があるのだ
から、これからの社会に生きる皆さんは、「〇〇は給料が高い」「○○は安定してい
る」(○○には職業や会社名が入る)といった「今」の状態だけを基準にして職業や
会社を選ぶ、という発想に立つのではなく、社会がどう変化しようが常に「〇〇がし
たい」「〇〇を究めたい」(○○には仕事の中身が入る)という自分の想いや志を大
切にして、仕事を選んだり、時には職業を創り出したりすることが重要なのではない
か、ということです。そして、その仕事は何のためにするのかと言えば、一つは自分
の幸福を追求したり自分の人生を豊かにしたりするためであり、もう一つは、そのこ
ととも関係しますが、自分以外の人の役に立つためだと思います。

 「高校卒業は人生の大きな節目・転換点の一つ」と言いました。皆さんより少し
(たっぷり)長く生きている人間として言わせてもらえば、「人生の大きな節目・転
換点」はこれから何度もあります。そして、人生を真面目に一生懸命に生きていれば
いるほど、年齢が高くなるごとに、節目・転換点の持つ意味の重要性や難易度は確実
に上がっていきます。その時は目の前に立ちはだかる壁と格闘するのに精一杯で、こ
れ以上大きなことは人生で二度と起きないだろうくらいに思うものですが、後から振
り返ると、あの程度のことで何を悩んでいたのだろう、と思うものです。でも、安心
してください、その時々に「あの程度のこと」で目一杯悩み、もがくことで、節目・
転換点に対する対応力が確実に向上していますよ、なのだと思っています。

 人は成功からも失敗からも学ぶことがありますが、失敗から学べることの方が大き
いのではないかと思います。ただ、それは「可能性」の問題で、失敗から学ぶ気がな
ければ何も学べません。また、人生は思い通りにならないことの方が多いと思います。
失敗した時や思い通りにならない時にどう考え、どう行動し、最後に自分の中にどう
落とし込み、前に進んで行くのか。悩みながら、自分なりの対処の仕方を考え、身に
付け、また考え、身に付け・・・とやって、気付いたら成長しているというのが人生
なのかもしれません。大リーガーのイチローが日米通算 4, 000 本の安打を打った時
に「 4, 000 の安打を打つには、 8, 000 回以上悔しい思いをしてきた。」(3打席
で1本しかヒットを打てなかったという意味)とコメントしたように、世の中で今大
成功を収めている人たちも、その何倍もの失敗や躓きがあって今日があるのです。逆
に言えば、失敗した時点で諦めていたら、彼らの今日はないのです。だから、失敗し
たり、思い通りにならなかったりしても、それが当たり前なのです。むしろ成長のチ
ャンスなのです。絶対にそこで絶望したり、諦めたり、投げ出したりしないでくださ
い。そして、頑張って頑張って、その結果行き詰ってしまったら、その時は一人で悩
んでいないで、友だちや家族に相談したり、恩師や母校を訪ねたりしてください。辛
いときは人に頼る、人が困ったら助ける、そうやってお互いに助け合い、支え合って
行けばいい。一人じゃない、共に生きる人がいるというのも人生の素晴らしさです。

 人生楽な方がいい、という人がいます。でも、すぐに登れる低い山に登った時の充
実感や見える景色の美しさと、登るのが大変な高い山に登った時のそれらとが全く違
うように、人生に充実感や美しい景色を求める人は、敢えて少し苦労をした方がいい
かもしれません。必ず儲かる方法がないのと同じように、楽をしていい人生が送れる
ことは絶対にない、と肝に銘じておくのがいいと思います。皆さんの高校生活最後の
松尾祭のテーマは「 Seize the day(s) 」でした。これからも「今を生きる」ことに
全力を傾けてほしいと思います。

 皆さんはこれからの新しい時代を創っていく人たちです。いろんな人がいていい、
と多様性を認め、受け入れた上で、自分もほかの人も大事にして、皆が気持ちよく毎
日を過ごし、幸福感を感じられるような社会を築き、皆さんの次の時代に引き継いで
いってください。
                   *
 最後に、この1年、皆さんに話してきたことで、校長室前に掲示してあることを書
いておきます。心に響くこと、なるほどということが1つでもあったら、折に触れて
思い出してみてください。
 皆さんのこれからの人生が幸多く、豊かで、希望と笑顔に満ちたものでありますよ
う、祈念しています。
                   *

○自分の頭で考え、判断し、自分の意志で行動せよ。
○高い志や強い想いを持て。
そしてそれをカタチにせよ。
○「常識」を疑え。いつも「本当にそうか」と考えろ。
○丸飲みするな、咀嚼せよ。
その方がより血となり肉となる。
○すべてを面白がれ。
○学べ。
○「1.01の法則」: 1.01 の 365 乗 =約 37.80
 「0.99の法則」: 0.99 の 365 乗 =約 0.03
○1日24時間、1年365日。
すべての人に等しく与えられている時間を君はどう使いますか?
○君の選択を積み重ねたもの、それが君の人生だ。
さあ今君は何をする?
○"Live a life." ではなく"Live your life."
君の人生を生きよ。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月03日22:07

231 卒業を祝う



今日は卒業式。

正式には、写真の看板にあるように、卒業証書授与式と言っています。


(卒業生へ卒業証書授与の場面)


寒い朝になりましたが、天気は快晴、まさに「晴れの卒業式」です。


昨日も今朝も、生徒も教職員も、いろいろな人が、卒業生に対してお礼やお祝いの意味を込めて、準備を進めていました。


昨日のうちに生徒会の役員が卒業生の全クラスの黒板にメッセージを書いていました。
そのうちの幾つかを紹介します。








昨日のうちに準備した保護者受付の飾り付けです。




今朝の受付担当の生徒たちです。




この花は学校としてではなく、想いのある先生が個人で用意したものです。




掲示されたたくさんの祝電の一部です。




来賓も13人の方がお見えになりました。


式は厳粛な中にもあたたかい雰囲気を持って、予定より若干早目で進みました。


ギャラリーで、入退場と校歌・蛍の光の演奏をしてくれた吹奏楽班です。




卒業生退場の場面です。




退場後、卒業クラスは記念撮影。




その後、教室に入り、保護者とともに最後のホームルームを終え、ロータリーに出てきた卒業生を待ち受けていた在校生が、記念撮影をしたり、花束を渡したり、胴上げをしたり、応援歌を歌ったり、卒業生同士で写真を撮ったり、しばらくは大混雑をしていました。


式の壇上にあった花を玄関に移動しましたが、こうしてみると、その大きさがわかります。

かなり遠くからもいい匂いがしています。




来賓を迎えた花をそのまま校長室に置きました。




そして、これは、卒業生の保護者から事務室に届けられた花です。




「3年間大変お世話になり、ありがとうございました」とあります。

10数年学校にいる人が、こんなことは初めてではないかと言っていました。


今日は、職員朝会で、全・定の卒業学年の担任が一人ずつコメントをしましたが、中には、朝3時まで今日の準備をしていたという担任、逆に2時に目が覚めてしまったという担任もいました。

それ以外にも、朝出会った全日制の卒業学年の担任が「校長先生、3年間、楽しかったです。特に今年1年はあっという間でした」と言っていましたし(土日を含め朝早くから夜遅くまでほぼ毎日学校で仕事をしていたにもかかわらずです)、昼間行われた保護者主催の学年の祝賀会から学校に戻ったベテランの担任は「やっぱり担任は最高ですね」と言って、その後の教科の祝賀会に出掛けて行きましたが、謝恩会の後、生徒と合流して卒業を祝ったクラスもあったようです。

夕方から職員で祝賀会を行った定時制の担任も「色々あったけど、やっぱり卒業式はいいですね」と言っていました。

教員になって以来、ずっと思っていることは、学校で行った教育は、卒業してからも、生徒の成長や活躍を見たり聞いたりする度にとても嬉しく何かご褒美をもらえた気分になるものですが、学校という範囲で考えると、すべてはこの日のためにあると言っても過言ではないということです。

生徒も教職員も、そして保護者・来賓の皆さんも、今日は本当にいい表情をしていました。

365(今年は366)分の1日ではありますが、やはり今日は特別な日です。


定時の卒業生はあらかた進路先が決まっていますが、全日の卒業生は現時点ではほとんど進路先が決まっておらず、まだ進路実現の渦中にあります。

それでも、国公立大学前期個別試験と合格発表の間の週ということがあるにせよ、ほぼ全員がこうして卒業式に出席して一日を学校で過ごすところに上田高校のよさがあると思っています。


最後に、学校のホームページ上にも掲載しましたが、今日の卒業証書授与式の式辞を掲載します。

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平成27年度 長野県上田高等学校 卒業証書授与式 式辞


冬の間、近隣の山々や里に厚く積もっていた雪が溶け、地表から春を告げる福寿草の花が顔を出し、県内からも桜の便りが届く、穏やかな季節を迎えました。

本日、日頃から本校の教育振興に格段のご高配を頂いておりますご来賓の皆様のご臨席を賜り、平成二十七年度長野県上田高等学校卒業証書授与式をかくも盛大に挙行できますこと、大変有難く、心より御礼を申し上げます。

卒業生の皆さん、晴れのご卒業おめでとうございます。
こうしていつも以上に凛々しい皆さんの姿を見てとても嬉しく思います。皆さんは、歴史と伝統に輝く長野県上田高等学校の第百十四期卒業生として、ここにその名を刻むことになりました。本日皆さんに贈る「卒業おめでとう」の言葉は、高校生活における皆さんの精進、努力に対する賞賛の言葉であるとともに、明日を担う皆さんへの大いなる期待と激励、はなむけの詞でもあります。

保護者の皆様方、お子様のご卒業、まことにおめでとうございます。
お子様は今日ここに力強く新しいステージへ踏み出す時を迎えました。これまでのご労苦とご訓育が実り、この日を迎えられましたことに、心からお祝いを申し上げます。

さて、卒業生の皆さん、皆さんは本校での三年間、あるいは四年間、幾多の悩みや葛藤、挫折や困難を乗り越え、授業、班活動、生徒会活動を始め、様々な活動に前向きに取り組み、大きく成長し、多大な成果をあげてきました。皆さんが中心となって創り上げた今年度の松尾祭のテーマは「Seize the days」でした。「Seize the day」とは、日本語では、「その日をつかめ」あるいは「今日の花を摘め」、すなわち「今を生きろ」という意味に解釈されています。
今月十一日には、東日本大震災から丸五年を迎えますが、その復興は未だ途上にあり、被災された方々や大切な人を失った方々の、例えば故郷に帰りたいなどの願いは必ずしも十分に叶えられないまま時が過ぎています。この大震災が私たちに教えてくれたこと、それは、いつ何時何が起こるかわからないこの世界で、今自分たちが生きているという奇跡を全身で感じ、それに感謝し、今を精一杯生きることが大切だということ、そしてそれが希望ある未来を創ることに繋がるということ、ではないかと考えています。
 ここ長野県でもこれまでにいくつもの大きな地震が起きました。中でも上田藩主だった真田信之が封じられたことで本校とも縁のある松代で、昭和四十年から、五年半の長きにわたって続いた、いわゆる「松代群発地震」がよく知られています。この五年半の間に、体に感じた「有感地震」だけでも、震度五や震度四の大きなものを含めて六万回を超え、いつ止むか見当もつかない地震に対する住民の不安や恐怖は筆舌に尽くしがたいものがありました。その最盛期の昭和四十二年、当時の松代町長であった故中村兼治郎氏は、現地を訪れた国会議員の調査団に「何か必要なものはないか」と問われ、「学問が欲しい」という有名な言葉を発しました。結果的には、地震予知などの科学と住民との連携により、幸いにも地震による直接の死者も火災もなかったと言われていますが、群発の最盛期に町長が一番欲しかったのは、お金でも物資でもなく、住民の命を救い、不安や恐怖を取り除いてくれる学問であったのです。
 福沢諭吉はその著書『学問のすすめ』の中で、学ぶこと、知ることの大切さを説いていますが、基礎的学問を含め、真の学問とは、自らを幸福にし、人生を豊かにするとともに、ほかの人の役に立つものを指すのだと考えます。
本校生もスタディツアーでフィリピンを訪れますが、そのレイテ島という所にあるフィリピン大学医学部レイテ分校と交流を続けている佐久総合病院の職員の皆さんによると、レイテ分校の学生たちは、目の輝きと必死さが圧倒的に違うと言います。学生の多くは貧しい地方の出身であり、医療が未成熟で、十分な手当てを受けられずに亡くなっていく人々を日々目の当たりにする中で医学を志した彼らは、自分が身に付ける一つ一つの知識、一つ一つの技術が人一人の命を救うことに繋がるという自覚を強く持っているのだそうです。
 私は、一年間、本校で学ぶ生徒諸君の姿や本校が指定を受けているSGHの取組を見て、「強い学び」「深い学び」ということと、「本物の学力とは一体何なのだろうか」ということを考えるようになりました。本校で学んできた皆さんは、「学び」とは、机の上で完結するものではなく、人の命を救うもの、世界の平和を維持するためのもの、社会や世界をよりよくするためのもの、としてとらえることができているはずです。
 皆さんの卒業後の進路は様々ですが、それぞれの道で、今後も、生涯にわたって、本当の意味での学びを続けてほしいと思います。そして、校歌にあるように、上田高校卒業生として「至高の望み」と「至剛の誇り」、さらには真田から伝わる「気概」を持ち、「いざ百難に試みむ」という心意気でこれから出会うであろう幾多の困難を乗り越えて行ってほしいと願っています。

卒業する皆さんは、今日、楽しかったこと、悲しかったこと、嬉しかったこと、苦しかったこと、様々な思い出が詰まった学び舎を後にし、毎日くぐって登校して来た「古城の門」から新しい世界へと巣立って行きますが、古城の門は、これからも母校を訪れる皆さんをいつでもあたたかく迎えてくれます。上田高校はいつまでも皆さんとともにあります。

今日は少し寒い日になりましたが、明日からは暖かくなるそうです。卒業する皆さんの将来が光り輝くものであること、皆さんの人生が幸福と充実感に満ちたものであることを心から願って式辞といたします。

平成二十八年三月二日
長野県上田高等学校長 内堀 繁利


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月02日22:19

230 卒業式の準備が整う



昨日のブログに「雪が大して降らなかった」というようなことを書きましたが、今朝起きて外に出ると、びっくり、薄く雪が積もっていました。

夜中にしんしんと降ったのでしょう。


今日は、日中は晴れたものの、あまり気温が上がらなかったので、夕方見ると、ほとんどの雪は溶けていましたが、日陰には少し残っていました。


さて、全日制も定時制も、今日はそれぞれに他のことをしつつですが、明日の卒業式(卒業証書授与式)に向けて在校生と教職員が心を込めて全員で掃除をし、準備をしました。


校長室も、応接セットを外に出し、こんな感じに様変わりしました。




高校の行事で最大のものは、当たり前ですが、やはり入学式と卒業式です。


夕方5時からの全定合同の最終打ち合わせを終え、準備が終わった式場に様子を見に行って、改めてそのことを感じました。

式場が、誰もいないのに厳粛な雰囲気を持っていたのです。




これは驚きでした。

準備の完璧さゆえでしょうか、1,500を超える椅子の圧力でしょうか、それとも伝統が持つ凄みでしょうか。

壇上に上がりマイクの前に立ってみて、それまでは特に何も思っていませんでしたが、初めて少し緊張を感じました。

ギャラリーでは、明日に備え吹奏楽班が真剣に調整をしていました。


校長室に戻った後、生徒会役員による生徒昇降口や卒業生のそれぞれの教室の飾り付けを見て回りました。

想いが伝わって来ました。

いい卒業式になってほしい、そんな気持ちを込め、「自分ができることを」と、明日の式辞を練習してから帰途に就きました。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2016年03月01日22:23