100 ブログ100回を感謝し、吹奏楽東海大会報告を受ける



今日、全日制は定期考査1週間前、今日から考査が終わるまで、大会が近い一部の班を除き、班活動は禁止、勉強に集中します。


学校という所は、人間としての総合的な成長を促すため、またそのための様々な力をつけるため、盛りだくさんの活動や「場」が用意されていますが、生徒は、その時々でそれらに優先順位を付け、全力で集中し、1つを終えたら、切り替え、また次のことに全力で集中することが求められる、とは以前このブログに書いたことです。

3年生は受験を意識し、1・2年生は「切り替えと集中」で頑張ってほしいものです。



さて、4月から書き始めた校長ブログも、今日で100回を数えます。


今日は8月31日ですから、4月1日からちょうど5か月で100日書いたことになります。


夏休みを挿んで5か月で100回 ー これってどれくらいのペースなんだろうかと考えてみました。


このブログは「授業日原則毎日更新」を目標にしています。

まずその授業日、全日制と定時制で若干異なることがありますが、今のところ、共通の場合は毎日、ずれている場合もほぼ毎日書くことができています。

それに加えて、年間14回予定されている土曜公開授業のうちこれまでに実施した5回と、授業日でない夏休み中にも数回更新しましたので、結構なペースで書いているということが言えそうです。




以前、ブログにも書きましたが、今のところ、アップした時刻とアクセス数を公表することにしています。

従って、何時にウェブ上に上げたか、何人の方に読んでいただいているか、皆さんにもわかるということですが、ブログ上の表示では Total となっているのは実際には PV(page view。ブログを見た実人数ではなく、見た延べ回数)を表していまして、4月以来今日の終了時点で、5万4千回前後になるだろうと思います。

小諸市の人口よりちょっと多いくらいでしょうか。

Today と表示されている1日あたりのPVは、日によって凸凹はありますが、お陰さまで、大まかには増加傾向にあります。


また、読んでいると私に伝えることで励ましてくださる方も大勢いますし、中には他の人にブログの存在を紹介してくださる方もいます。


ここまでなんとか来られたのも、こういった皆さんのお陰と、心から感謝を申し上げます。

今後も、自分なりに工夫や改善を加えながら、頑張って続けてまいりたいと思いますので、引き続きご愛読をお願いします。


今日はもう一つ、吹奏楽班が東海大会から帰り、3年生がこれで引退ということでミーティングをした後、正副班長が、少し目を腫らして、東海大会の報告と、県代表のカップ・東海大会のトロフィーを学校に渡すために校長室に来てくれました。




東海大会は残念ながら銅賞だったそうで、3人とも、正直それは悔しいと言っていましたが、一夜明け、心の整理もだいぶついたようで、気持ちを切り替えて受験勉強に集中したいと話していました。

悔しさは感情ですから、持つこと自体は自分の意思でコントロールできるものではありませんし、むしろそういう感情はプラスに生かすこともできるので、抱えながら前に進めばいいのだと思います。


上田高校、あるいは上田高校の吹奏楽班は、3人にとっては「憧れの存在」だったそうで、上田高校に入学できたことや上田高校で吹奏楽ができる喜びからスタートしたそうですが、であっても、実際の活動は順風満帆ではなく、自分の楽器演奏の力不足がチームに迷惑をかけているのではないかと悩んだり、同じ学年のまとまりや下級生をまとめることが上手くいかずに苦しんだりして、時には班をやめようかと思い詰めた時期もあったと言います。

高校生最後の大会、県大会くらいから、緊張感より楽しいという思いが上回るようになったとも言います。

最終結果も含めて、吹奏楽を最後まで続けてよかったと、口を揃えて言っていました。

私からは、ここまでよく頑張った、私は素晴らしいと思っているし、自信を持ってほしいこと、一つのことを頑張れる人は目標をしっかり持てれば他のことも一生懸命取り組めることなどを話しました。


他ではなかなかできない経験や、困難を乗り越える体験や喜びを持った子どもたちが、次のステージへと上がっていきます。

ガンバレ!上田高校生。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月31日22:08

099 上田高校にもしっかり雨が降る



今日は土曜公開授業日です。


朝から雨が降っていましたが、上田駅を降りると一層本降りになっていました。

いつものように、鞄に入れている折りたたみ傘を出そうとして… ないことに気付きました。

昨日の帰りも雨が降っていたので、鞄から取り出して使い、家で乾かしたまま、忘れて来てしまったのです。

いろいろな意味で勿体ないからと、少しの雨では走って行くくらいの気持ちを持ってはいるのですが、さすがにこの降り方では無理と、駅前のコンビニで安い傘を買うことにしました。


学校に着いてみて、通勤の時間帯にこれだけしっかり雨が降るのは久しぶりではないかとあらためて思いました。




写真ではそれ程でもないように見えますが、実は結構強く降っていて、傘を差さないとあっという間にびしょ濡れになるくらいの降り方です。

傘を差しながらiPadで写真を撮るのは、慣れないせいもあって、意外と大変です。

結局、iPadも鞄も身体も全部少しずつ濡れてしまいました。


古城の門をくぐり終え、直ぐに右を見ると、昨日のブログに書いたエンジュの木が、この程度の雨などなんともないと言わんばかりに、堂々と立っていました。




これも写真ではわかりにくいですが、真ん中一番奥に見える、「治療」を受けて根元の一部に白いものが混じっているのが、「親」の木です。

土用の丑の日ならぬ、土曜の雨の日も、生徒たちを見守ってくれています。


この雨も昼間には上がり、夕方からは、別会場で行われた野球班の保護者総会に出席しました。


毎年、8月最終週である今週末に、文化祭を一般公開しているところが幾つかあります。

その学校のことを考えながら、明日もこのまま降らなければいいが、と思いました。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月29日23:03

098 エンジュの木を語る



今日は、学校にあるエンジュの木の話をします。


昨日、上田市の小林教育長さんが学校に見えた時、上田高校を囲う塀の北東の角にある、エンジュの木のことが話題になりました。

お濠の外、校地の東北の位置から写したのが下の写真です。




そこにその木があることは知っていても、普段あまり通らない場所にあるため、その謂れを知らないと、たくさんある大木の1つくらいに捉え、特段の注意を払って眺めることもない木です。


小林教育長さんは元上田高校の校長で、枯れ始めていたこのエンジュの木を将来にわたって残そうと尽力された方です。

折に触れ、このブログにも書いているように、大切なこと(もの)を先人から受け継ぎ、後世に引き継ぐということです。


小林先生は、校長時代、この木について、いろいろなところで話したり、書いたりしていたようで、その頃お会いした時に「知っていると思うけど…」と、私にもちょっとだけ話をされたことがありますが、『関西同窓会報』の平成24年1月発行の号に、上の写真と同じ位置から撮影した写真を載せ、次のように書いています。


《…上田市にほど近い東御市の島河原の黒エンジュと呼ばれる天然記念物のエンジュがあります。樹高30m、幹周5m、樹齢800歳という巨木ですが、上田高校にあるエンジュも、樹高23m、幹周4.5mとやや小ぶりですが、体格はそれほど見劣りしません。
この写真のエンジュ、上田高校の東北の隅に植えられていて、鬼門である丑寅(うしとら)の方向(東北)を塞いでいるということです。
エンジュは槐(木に鬼)と書き、鬼が出入りするという鬼門に縁があること、木の姿も灰黒色の彫りの深い樹皮に囲まれ、男性的な力強い樹木であることなどを考え合わせると、おそらく正しい伝承と思われます。…
樹齢、不明です。明治21年の写真にも東北の隅にエンジュの姿を明瞭に見出すことができ、樹高は既に17mあります。
江戸時代に古城の門を焼いた寛政の火災がありますので、その後と考えても約230歳となります…
利口な樹で、本体の南方向と西方向に、本体を頂点として直角に根を伸ばして、少し離れたところから、子どもの幹を伸ばしています。
子どもも大きくなっているので、傍から見ると3本のエンジュの大樹があるように見えます。
最近、本体の衰えを感じたのか、自分のすぐそばに1〜2mほど濠の方向に横に根を伸ばして、孫ともいうべき幹を立てています。
写真では、太い幹のすぐ右側にやや傾いて1本立っているのがそれで、その右側に幹が3本に分かれているのが西側の子どもです。
樹勢はかなり衰えていまして、本体の4分の3ほどに枯れが入ってきてしまいました。
…なんとかしなければと樹木医の先生お二人に見ていただきました。
エンジュは学問に縁の深い樹木ともお聞きしています。
創立以来、その晩年の中で、本校の教育を見守り続けてくれた樹木ですので、大切にその姿を留めていきたいと思います。》


小林教育長さんのエンジュの木に対する想いが伝わって来ますし、この想いをしっかりと受け継ぎたいと思います。


文の中で語られている木の様子は、上の写真の反対側、北通用門から見た方がわかりやすいかしれません。



右手前と右の建物の向こうにあるのが「子ども」、中央が「本体」、左が「孫」です。

これらの木は、すべて根で繋がっていて、文の中にあったように、本校創立以来ずっと本校と同窓生を見守ってくれているのです。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月28日23:06

097 1分間でメッセージを伝える



今日は、午後のロング・ホームルームの時間に、全日制の2年生が全員体育館に集まって、教科「情報」の時間にグループで作成し、今年のユニセフの One Minute Videoコンテストに出品した作品から各クラス代表2つずつ、計16作品を鑑賞し、投票によって「みんなの最優秀作品」を選ぶということをやっていました。

その中には、大学生等も含めて全国でベスト30作品に選ばれたものも入っています。




各ビデオを上映する前には、そのグループが前に出て、グループの紹介、作品の意図をプレゼンしていて、作って終わり、ではない形をとっています。

上映が終わると自然に拍手が起きる、いい雰囲気の中で進んでいきます。

よく見ると、担当の先生を支える、生徒のサポーターがいます。


スマホによる投票と紙ベース投票を合わせ、その場で結果を発表するというテレビのようなことも計画していたようですが、コンピュータの不具合もあって、残念ながらこちらは今回は実現しませんでした。




子どもの権利条約をテーマに、表現したいことを1分間で映像にまとめるというもので、作品を作るには、まず子どもの権利条約を読み込み、理解し、題材を何にするか議論し、ストーリーを考え、映像のスタイルを決めて、実際に撮影し、編集して1分にまとめる、というプロセスが必要で、まさにこれからの時代に必要な力を育成することになります。

会場には生徒だけでなく多くの教員も観に来ていて、教員研修にもなったのではないかと思います。

こういう試みにどんどん挑戦してほしいと思っています。



午前中は、2組の来客がありました。


1組目は上田市の教育長さんと事務局の方2人でした。

上田市教育委員会が進める、スマホから見られる学習用の「バーチャル上田城」に関する話でした。


2組目は、映画『過ぐる日のやまねこ』の監督で本校OGの鶴岡さんと、上田フィルムコミッション・マネージャーの原さんです。




映画の宣伝ということもありますが、先輩である鶴岡監督が、撮影で本校を使用したり生徒役で本校生が出演したことに対するお礼も込めて、この機会に本校生のために何かできることはないかと考えてくれていて、そのことについて話をしました。

日本では、時間もお金もかかる劇場用の大きな映画をつくることがますます難しくなっていて、そういう時代にあって、20代の若さでメガホンを握ることはすごいことですし、そういう人と触れ合い、語り合うことで、本校生が得るものは大きいだろうし、監督が同窓生で本校が映画に出てくるということもあって応援したいなあという気持ちも持っています。


鶴岡さんが本校向けにメッセージを書いてくれました。



映画のポスターと一緒に校内に掲示したいと思っています。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月27日22:58

096 学校に彩りを添える



昨晩から今朝にかけて、台風の影響が心配されましたが、交通機関や登校への影響はなく、全定ともに通常に授業が行われました。


今日は水曜日です。

水曜と言えば、午後は、全・定とも平均すると隔週くらいのペースで、時間をずらして職員会議を行っています。

今日は、夏休み明け初めての職員会議でしたので、内容は盛りだくさん、熱心な意見交換もあり、あわせて4時間ほどになりました。


そんな日の朝、いつものように古城の門をくぐり、職員玄関から入ろうとした時、特に意識したわけでもないのに、プランターの花がいつも以上に眼に入って来ました。




それもそのはず、全体として花の数が増え、しかも色鮮やかな真っ赤なペチュニアが今を盛りと咲き乱れています。

よく見ると後方には、コーディネートするかのような同系色のハイビスカス、ゼラニウムなども見えます。


写真からもおわかりのように、この赤があるのとないのとでは、玄関の色彩は大違いです。


この箇所に限らず、至る所で、学校に彩りを添えてくれる様々な種類の花。






毎日朝早く、夜遅くに、まさに手塩にかけて世話をしてくれる人がいるから、こんなふうにきれいに咲く花を見ることができています。


今日の職員会議でも、様々な分野のことが話題になりましたが、常にその根幹は、校内で咲き誇る花を育てるのと同じように、一人ひとりの生徒を愛おしく思い、大切にし、手間暇をかけ、ともに育とうとすることなのだと思っています。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月26日22:51

095 北信越国体優勝の報告を受ける



台風15号の影響で、雨と強い風が、朝から断続的に続いています。


学校でも、冷んやりとして肌寒さすら感じさせる風が、時折外で大きな音をたてたり、窓を揺らしたりして、落ち着かない日になりました。

台風のコースや公共交通機関への影響などを注視して、学校として必要に応じた対応を考える必要もあります。

九州を北上するという、日本に上陸する台風としては、比較的長野県には影響が小さい台風でこれですから、今更ながら、台風というのは影響の大きい存在だと思います。

今日は全国学力テストの結果が公表されるということで、関係者は二重・三重に落ち着かなかったのではないかと思います。


さて、昨日約束したとおり、今日は中村瑠佳さんのことを書きたいと思います。


土曜に行われた北信越国体・馬術競技・少年スピードアンドハンディネスで見事初優勝した、本校定時制の2年生です。


翌日大きく掲載された新聞記事が、著作権の関係でここに掲載できないのが残念です。


昨年長崎で行われた本国体で馬術3種目に出場し、すべて入賞している実力者です。

会場に出発する前の日に校長室に挨拶に来てくれた時は、元々馬との相性はいいものの仕上がりは昨年程ではないようなことを言っていましたが、どうして、大したものです。

シャイな生徒で、その時は、写真撮影に乗り気でなく、全国大会に行くようになったらオーケーですというようなことを言っていて、約束どおり、今回ツーショット写真を撮りました。




馬術を続けるためには、時間もお金も必要です。

練習は昼間に限られ、大会になれば、会場まで本人はもちろん、馬を移送することも必要になります。

そのため、中村さんは本校定時制に入学、昼間は乗馬クラブで練習し、アルバイトをしていますが、その上、ご家族の物心両面のサポートは欠かせません。

実際、昨日いろいろと話す中で、担任の先生が「家の人も喜んでいたんだよね?」と本人に尋ねた時に、一番の笑顔で「ハイ!」と答えていました。


本国体でも優勝目指して頑張ってほしいものです。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月25日22:48

094 着任式と壮行会を放課後に催す



暑い日でしたが、一時のような暑さではありません。

ミンミンゼミが本気で鳴いていて、うるさいくらいですが、騒々しさの中に夏を惜しむかのような寂寥感を感じたりもします。


今日は、きっちり6時間授業と清掃を行った後、4時15分から、ALTのアシュリー先生・Global講師のサビー先生の着任式と、吹奏楽班の東海大会出場の壮行会を行いました。

これが、何でも一生懸命やる上田高校流、簡単に授業を短縮しません。


着任式では、まず私からとっても易しい英語で2人を紹介し、



続いて2人から自己紹介をしてもらいました。


生徒たちは暑い体育館でも顔を上げ、集中して聞いています。



さすが上田高校生。

ジャージ姿が多いのは、運動班が、終了後すぐに班活動に行こうとしているためです。


続いて、中学生体験入学でも話が面白いと評判のよかった生徒会長の、ギャグ入りの英語による歓迎挨拶です。



〝Students of Ueda High School are smart and very good at English except for me.
Please speak to me very slowly or in Japanese.〟とかなんとか言っています。

結構ウケていました。


続いて、進行役が生徒に替わり、生徒会主催の壮行会。


私から激励の言葉。



ここまで頑張って来た生徒たちに「上手く演奏しようと思うのではなくて、曲の中に登場する人そのものになってしまうか、それを全力で応援する人になりきれ」と素人なりに思うことを伝えました。

その方がきっと「伝わる」し「満足できる」と思うのです。


団長(班長。吹奏楽班は伝統的に吹奏楽団とも言っていて、班長は団長とも言われる)から、お礼の言葉と演奏曲紹介。




課題曲、自由曲の2曲を演奏しました。




体育館でこんないい音が出るの?というほどの演奏で、県大会からさらに上達しているように思いました。



会場から大きな拍手が送られました。


大きい大会だからというわけではなく、どんな大会も考え方は同じだと思います。

実際、大会になると、緊張からか、普段の力を出し切れないことがあります。

緊張したり不安がったりした方がいい結果が出るのならそうすればいいけれども、そんなことはないのだし、持っている力以上は出ないのだから、結果は考えず、自分たちができる最高の演奏をすることだけを考えて、悔いのないように頑張って来てほしい、そんな趣旨のことも伝えたつもりです。


以前このブログで書いたように、県の吹奏楽のレベルは年々上がっていて、ここの所、やってみないと東海大会にどの学校が行くかわからない状態が続いています。

うちの学校も、東海大会出場は2年前以来ですし、その前も毎年ではありません。

この時期の壮行会は吹奏楽だけですから、年間行事予定には入れていません。

そういう意味では、壮行会自体ができてよかったと思いますし、ましてや時間を取って本番で演奏する2曲を全校で聞いたことは多分初めてのことで、一層よかったと思っています。


さらに、今日の夜には、定時制の中村瑠佳さんが、担任の先生と一緒に、北信越国体馬術競技の優勝報告に校長室に来てくれましたが、これは明日の記事でお知らせすることにします。



  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月24日20:31

093 今日も再び…上田高校も舞台です



信州上田フィルムコミッションの原悟マネージャーが来校しました。


全日制の教頭と事務長が同席して、校長室で、連携のことやら、他にもいろいろと話しました。


今日はまず、昨日に続き再びこの映画について話します。




4人で話しているうちに、私にとっては「ビックリ!」の事実がわかりました。


なんと、この映画、昨年、上田高校の校内で授業風景などを撮影しているんだそうです。

しかも、主人公のクラスメートとして、本校生がエキストラで出演しているんだそうです。

えーっ、っていう話でした。

それじゃあ、もっと本校と関係あるじゃないの、という話です。

今日原さんからもらったプレス用の説明資料を読むと、鶴岡監督は、この作品では、これまでの上田を舞台にした作品と違って、故郷上田を意識して撮影したといいます。

主人公の通う学校を、母校の上田高校という設定にしたかったのだそうです。

今をときめく細田守監督の『サマーウォーズ』でも上田高校に通っているという設定の生徒が出て来ましたが、この作品では実際に上田高校で撮影をしているのです。

去年、高校教育課にいましたが、そんな話は、今日の今日まで知りませんでした。

校舎や生徒、教室内がどんなふうに映っているのか、ますますこの映画に興味を持ちました。


9月19日から上田映劇でプレミア上映されますので、上田高校関係者はもちろん、ぜひ皆さんで観てほしいと思います。


さて、同窓会報『古城の門』が、手元に届きました。




会員大会は10月3日(土)です。

同窓生の皆さん、奮ってご参加ください。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月21日22:52

092 「過ぐる日のやまねこ」の鶴岡慧子監督に会う



夏休みが明け、昨日から定時制の授業、今日からは全日制の授業(と言っても今日は総合試験、3年は明日も)が始まりました。


本校は、2学期制のため、特別な区切りの儀式もなく、夏休みに入り、また明けます。

ただ、一応、定時制には休み前に全校集会があり、休み明けには、全定とも職員打ち合せ会がありましたが…。

その、全日制の職員朝会で、新しいG講師(グローバル講師。一人で授業ができる権限を持つ)のサビー先生と、ALTのアシュリー先生を紹介しました。


さて、そんな今日の朝、学校近くの上田映劇で、映画監督の鶴岡慧子さんと阿部県知事との、雑誌『KURA』の対談が企画されていて、対談の前に鶴岡監督に会うために、出掛けて行きました。




今朝の信毎の記事には書いてありませんでしたが、鶴岡監督は上田高校の卒業生です。


1988年生まれ、高校卒業後入学した立教大学の卒業制作『くじらのまち』が、若手の登竜門である自主映画コンテストPFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード2012でグランプリを受賞、釜山国際映画祭やベルリン国際映画祭など6か国の国際映画祭にも出品され、国際的に注目を集めました。

その後進んだ東京藝術大学大学院在学中の作品『はつ恋』が、バンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガーアワードにノミネートされ、修了制作『あの電燈』を経て、卒業後本格的に監督業を開始、初の劇場作品『過ぐる日のやまねこ』が、9月から上田映劇と東京でプレミア上映後、全国公開の予定になっているそうです。




上田でロケをした『過ぐる日のやまねこ』の完成・上映に当たって、母校上田高校にも挨拶に来てくれたそうですが、たまたま私が不在だったため、今日お会いすることになったのです。


上田映劇に着き、




館内に入ると、正面には、劇団ひとり監督、大泉洋主演の映画『晴天の霹靂』のポスターが飾られています。



この映画館で撮影が行われ、話題になった作品です。


ホール内のステージは、こんな感じにセットされていました。




ステージ上に用意された椅子に座り、対談を聞くことができました。




対談終了後、関係者で記念撮影、事務長と私も入るよう促されました。




鶴岡監督は、穏やかでニコニコしていて、取っつきやすい印象を受けますが、同時に、さすが大勢の人を束ねる映画監督を務める人だけあって、お若いのに、人間観察力に優れ、しっかりした理念を持っているように感じました。

詳しくは、雑誌『KURA』をご覧ください。(荒川主宰をはじめ、スタッフの皆さんによくしてもらったので、宣伝です)


鶴岡慧子さんは、小学校時代から映画監督を志し、大学もそのために選んだと言います。

(どこかで聞いた話だ。)

高校時代は演劇班と美術班に所属し、夏休みには自分の意思で東京に美術の勉強に出掛け、視野を広げ、多様な人と接して刺激を受けたと言います。


実は、私は、上田高校がこういう学校になればいいなあ、という一つの指標を、密かに持っています。

それは、どの分野でもいいのですが、いろいろな意味で「すごい人」が現れ、世間の注目を集めたとして、その時に、大学はどこですか?と訊かれると様々な大学が挙がるのですが、高校はどこですか?と訊かれると結構な数が次々に「上田高校」と答える、というものです。

「すごい人」というのは、周囲が「すごい」という人のことですが、具体的に言うとなるとこれまた難しくて、単語で言えば、「人材」というよりは「人物」に近いでしょうか。

鶴岡さんは、そういう存在の1人たり得る人ではないかと思っています。

同時に、うちの生徒にとっては、大きな影響と刺激を与え得る人だと感じました。

鶴岡さんご本人と、彼女のサポート役・プロモート役を務める上田フィルムコミッションの原悟さんとは、何か本校との連携ができるといいですね、と話しました。


ところで、先日、吹奏楽班が東海大会出場を決めましたが、今日から行われる北信越国体に、県代表として本校から4人の生徒が出場しています。

全日制ソフトテニス班の両角君、ハンドボール班女子の林さん・油井さん、定時制の中村さん(馬術)です。

中村さんは、昨年も長崎本国体の3種目に出場し、すべて入賞していますが、今年は今日出発ということで、昨日校長室に顔を出してくれ、激励をすることができました。

4人とも精一杯頑張って来てほしいと思っています。


さて、話を冒頭に戻して、最後に再び2学期制ー。

今読んでいる『長野県上田高等学校史・高等学校編』によると、本校の2学期制は、安定した授業実施のために、新制高校間もない昭和25年度に導入されていますが、当初は、今のような1年を半々に割る形ではなく、3学期が短いため、2学期と3学期の区分を設けない形だったようです。

「区切りをつける」という観点からは、その形は今でも一考に値するような気がしています。


というわけで、この校長ブログも「原則授業日毎日更新」を再開します。

頑張りますので、引き続きご愛読ください。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月20日23:05

091 お盆直前に意欲的に学ぶ



今日は、午前と午後、会場も内容も異なる、2つの研修を行いました。


どちらの研修会も、お盆前にもかかわらず、多くの人が集まり、内容のある、活発なものになりました。


順番に話したいと思います。


まず午後です。

全国高校長協会の会長である都立西高校長の宮本先生と、事務局長の小栗先生が、わざわざ東京から長野まで来て、県の校長会と教育委員会事務局を対象に、国の教育施策の方向性や都立高校の取組について、話をしてくださいました。




県のスポーツ会館を借りたため、写真には「toto」の文字も見えますが、自由参加にもかかわらず、100人近い大勢の人がお二人の話に聞き入り、質疑応答や意見交換も活発に行われました。




お二人には、その後の教育懇談会にもご出席をいただきましたが、想像を絶するくらいお忙しい全高長の会長さんと事務局長さんが、揃って地方に来ることはまずあり得ない、画期的なことです。

その上、参加者が口々に「今日は勉強になりました」と言っていたように、いま最もホットな話題について、情報を得、語り合う、実質的で、とても有意義な会になりました。

お二人には心から感謝を申し上げたいと思います。


さらに、宮本会長さんには、この会の前に、上田高校に朝早くから立ち寄っていただき、長野高校の教頭さんとともに、生徒のアメリカ研修旅行の実践について、教員を対象にお話をいただきました。






この研修会は当初、本校SGHの次年度に向けた取組のために、校内研修として考えたものですが、せっかくだからと、各校の校長さんを通じて連絡したところ、全県各地の高校から、校長、教頭、教員12名の参加があり、本校の教頭、教務係、進路指導係、SGH係も加わって活発な会になりました。

本校のフィリピンスタディツアーについても発表をしました。

海外研修の企画に関するノウハウはもちろんのこと、何のための海外研修なのか、海外研修はすべての学校で行うべきなのか、などなど、教育の根幹に関わることにまで議論が及び、日々の教育活動について深慮する機会になりました。


宮本先生の言を借りれば、体験が不足し、同質なもの、好きなものに接点が偏りがちな現代の子どもたちが、学校の外に出て、異質なものと触れ合い、様々な体験をすることで、人としての器を広げ、学びのモチベーションを高めることが大事で、海外研修もそのための手法の一つということになろうかと思います。

本校もそうですが、都立西高校でも長野高校でも、事前・事後を含めた海外研修で、子どもたちは劇的に変わり、周囲にもその影響が及んでいるそうです。


まさにタイムリーと言うべきでしょうが、昨日、Facebook上で、アインシュタインの次の言葉を見つけました。

《 教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分の中に残るものをいう。そして、その力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、自ら考え、行動する人間をつくること。それが教育の目的といえよう。》


まさに、我が意を得たり。


海外研修にしても教育改革にしても、結局はツール・手段であり、最も大切な視点は、子どもたちの本質的な成長にとってどれだけ意味があるのか、ということなのだと思います。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月12日23:56

090 速報、吹奏楽班が東海大会出場を決めた



やりました!

今日、長野市のホクト文化ホールで行われた、吹奏楽コンクール県大会A編成の部で、
上田高校吹奏楽班が、見事、東海大会出場を決めました。




昨年は、県大会で金賞は獲ったものの東海大会出場は逃していますので、一昨年以来の出場ということになります。


今回の結果(◎が東海大会出場)
飯田 95 金 ◎
小諸 94 金 ◎
上田 92 金 ◎
松本蟻ヶ崎 91 金 ◎
豊科 89 金
長野吉田 86 金
屋代 83 金
長野 82 金
(以下 銀賞(略))


(大会後、ホール前で顧問の話を聞く)

班員の周りには、卒業生・保護者・学校職員あわせて70〜80人はいたでしょうか。

これだけの人が応援に駆けつけてくれたのです。

力にならないはずがありません。


演奏は、課題曲が格段の成長をし、自由曲はきっちり聞かせましたねえ。

誠実で、丁寧で、繊細で、温かく、ノリもいい、そんな演奏でした。

気持ちがのっていて、短期間でよくここまで仕上げてきたと思います。

本当によく頑張りました。

これでダメなら相手があっぱれ!というくらいの出来だったのではないでしょうか。


結果は、地区大会の同点3位から県大会で単独3位。

上位との差も縮まっています。


ここで気を抜かず、さらに課題を修正し、東海大会で、そこを目指してともに精進して来た県内の他校の思いものせて、最高のパフォーマンスをして来てほしいと思っています。

ガンバレ、吹奏楽班!


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月11日19:47

089 校長会でICTについて学ぶ



この夏。

急き立てられるような気持ちが消えない、落ち着かない夏です。


一つは、戦後70年という区切りの年の国の動き。

国際情勢が変化する中で安保法案が国会で審議され、関連して国会の外でも、国を二分する大きな動きが起きています。

18歳以上に選挙権を与える法案が成立し、高校で何をどう教えるのか、文科省や県教委で検討が始まっています。

次の学習指導要領で「歴史総合」や「地理総合」、あるいは「公共」といった新科目が検討されているということも公表されました。

これからこの国はどういう方向に進むのか、明らかにこれまでとは違ったステージに入っていると感じています。


もう一つが、高校における学習の中身・学び方、それを反映させる大学入試等が大きく変わると言われていることです。

上田高校は、SGHの指定を受け、学びの方向性を内外に明示していますし、その方向で意欲的に取り組むことによって、これらの動きにも対応できるという確信を持っていますが、その詳細、具体的な国の制度設計がどうなるのか、まだまだ先が見えにくい状況があります。


そのような中、今日は午後から、校長会普通部会の総会・研究協議会が長野市で行われました。


講演会には、元神奈川県立城山高校の校長、関明先生が、『協働した学びを充実させるためのICT利活用教育』と題して、自らの実践に基づく話をしてくれました。




「知識注入型」から「知識活用型」への教育の転換、ということが言われています。

教育の定義付けは様々に行われていますが、学校のホームページにも書いたように、私としては、個としての幸福の実現、社会の構成員としてのよりよい社会の構築のために、必要な知識を獲得し続け、社会や周囲の動きに流されることなく、自分の頭で考え、決断し、自らの意思で行動できる人を育てることだと考えています。

だとすれば、上述のような時代にあっても、実は、目指すところはこれまでと何ら変わりはなく、むしろ、国や世間のお墨付きを得て、これまで以上に、迷うことなく前に進めばいいのだとも考えています。


丁度そのような話を会の冒頭でしたのですが、その一つの具体的な答えが今日の講演の中にあったように思います。


William Arthur Wardという人の、有名な次の言葉を引用し、

The mediocre teacher tells.
The good teacher explains.
The superior teacher demonstrates.
The great teacher inspires.

凡庸な教師はただしゃべる
よい教師は説明する
すぐれた教師は自らやってみせる
そして,偉大な教師は心に火をつける


ICT教育の導入によって、ザックリと言えば、教師が一方的に話し続ける授業から、生徒が主体的に学ぶ授業へと変わり、模試の成績も向上したと言います。

タブレット端末は1人1台必ずしも要らない、ネットに繋がらなくていい、単純なものほど面白い、ICTを中心にしない、などなど、校長たちにも十分役に立つ講演でしたが、先生たちが直接話を聞いたらもっといいのではと思えるような講演でした。




先週末に秋が立ち、相変わらず暑い中にも、心なしか秋の気配が感じられます。

これも総会の挨拶の中で言ったことですが、この夏、計画していたことの1つが校史を読むことで、その計画は進んでいないので、夏後半に頑張らないといけません。


来し方を知らずして行く末は語れません。

社会生活でも、学校運営でも、歴史を学ぶことはとても重要だと思います。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月10日22:43

088 農業ウィークに受験と戦争と平和を考える



今日から全日制は、III 期の特編が始まりました。


3年生を対象に、一部講義もありますが、基本的には自学自習をし、教員も3学年を中心に待機して生徒からの質問を受け付けるというものです。

朝、校内をぐるりと廻ってみましたが、各クラス10数名、多いところは半数以上の20数名が登校し、教室と自習室に分かれて黙々と勉強していました。


「受験は団体戦」と言われます。

勉強は基本的には自分でするもので、受験勉強も結局は本人がどれだけやるかなのですが、そうは言っても、ともすれば「易きに流れ」がちな自分を、周囲とともに高め合い、刺激し合って、よりモチベーションや効果をあげることも必要です。

全国大会・全国総文祭に出場する運動・学芸各班、県大会・東海大会を控える吹奏楽班、選手権まで現役を続行する一部のサッカー班などを除き、3年生はこの時期、大きなウェイトを占めていた班活動から引退して、高校入学以来初めて自分の意思でほぼすべての時間を管理できるこの夏休みの間に、これまでとは異なる、本格的な受験生としての生活のリズムを自分の意思で作っておくことが大事なのです。

自分の頭で考え、自分の意思で行動せよ!

全力でガンバレ、受験生!


少しすると、マデリン先生の後任のアシュリー先生が、長野市まで出迎えに行った英語科の先生に連れられ、学校に初登場しました。

Tennessee waltz で有名なアメリカ・テネシー州の出身、大学の専攻はスペイン語だそうです。


来日直後のALTは、まずハンコを作るのが恒例です。

ハンコの文化は日本社会特有ですが、日本にいる間はハンコが自分の分身になるので、ハンコの字をカタカナにするのか、漢字を充てるのか、一緒に考えました。

とても明るく、前向きかつ意欲的な女性で、きっと生徒に力を付けてくれるだろうと期待しています。


午後からは、長野市で開催された、校長会農業部会と農場協会の北信越支部大会に出席しました。




今週は、ブログに書いたように、月曜日にJA長野厚生連の佐久総合病院へ行きました。

翌火曜日は、校長会が主催する初任者の社会福祉体験研修で、同じくJA長野厚生連が、同じ敷地内のリハビリテーションセンターとともに経営する、特別養護老人ホームの「ローマンうえだ」へ。




そして今日がこの会と、週に3回も農業関連の場所に伺ったので、「今週は農業ウィークです」と、今日の来賓挨拶の中で申し上げました。



ところで、今日は8月6日。


70年前の朝8時15分、広島に原爆が投下されました。

どんな説明をされても、この行為は、アメリカの大いなる実験、民間人の大量虐殺に他ならないと、私は思っています。

こうなるまで戦争を長引かせた日本が悪いとか、原爆を民間人の居住地区に落としたアメリカがいけないとか、いろいろな意見があるのは承知の上で、ここでは何が正論かは置くとして、こんな悲惨な結果をもたらす戦争は、どんなことがあっても二度としてはならないと思います。

そのためにどうするのがいいのか、生徒も含め、今こそ、一人ひとりが学び、深慮して、自分なりの確たる考えを持つべき時です。

折しも、文科省が、高校の新教育課程の検討の中で、日本史と世界史を統合し近現代史を中心に学ぶ「歴史総合」や、18歳以上選挙権に伴い主権者教育を担うであろう「公共」といった科目を設ける方向であることが公になりました。


毎年、夏は、戦争と平和について考えずにはいられない季節です。

8月9日の長崎とあわせて、20万人以上と言われる、原爆で亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに、今もって苦しんでおられる方々のお見舞いを心から申し上げます。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月06日22:05

087 小布施の町長に会う



3年生を対象にした、II 期特編が今日で終了しました。


明日からは III 期特編が始まります。

3年生はまさに「受験モード」。

Carpe diem、Seize the day ではありませんが、いま目の前にある最も大切なことに全力で打ち込む、ということは、何も受験勉強に限らず、これからの人生においてもとても大切なことで、上田高校生がそういう姿勢を日々の学校生活の中で身に付けてくれていることを期待したいと思います。

自分の将来の夢の実現に繋げるため、ぜひとも、全身全霊で、倒れるくらい本気で今は受験勉強に打ち込んでほしいと願っています。


さて、今日私は、小布施町を訪れました。


これまで町の主任研究員の大宮さんにお世話になっていることや、今回のフィールドワーク受入れのお礼方々、市村良三町長さんにお会いするためです。


会談終了後、町長さんに「真ん中へ」と言われて、大宮さんと3人でこんな写真を撮りました。




ところが、町長さんはこの普通の写真に満足していないのか、「3人で握手しよう」と言い出し、撮ったのがこの写真です。



「総裁選終了後、候補者3人で挙党態勢を確認、みたいになっていますよ」と笑い合いました。


小布施という町は極めて先進的な町です。

同時に、極めて「特異」な町でもあり、まちづくりという点において、県内では他の追随を許していません。

このあたりは、川向正人著『小布施 まちづくりの奇跡』(新潮新書)などに詳しいのですが、この町の長年にわたる取組の理念やノウハウは、まちづくりの分野ではもちろん、他の分野でも大いに参考になるものです。


小布施と聞けば、こんな景色や、

k
(「しんきん」から高井鴻山美術館を望む)

こんな光景を思い浮かべると思います。


(高井鴻山美術館脇の「栗の小径」)


実は、今回の訪問で必ず見ようと思っていたのが、この「栗の小径」です。


「小径」というくらいですから、人がかろうじてすれ違えるくらいの広さの通りに



栗の木で作られた道と小川が続いています。




これまでも小布施に来ることは何度かあり、主な建物は見たつもりでいましたが、前述の著作を読むまでは、この道をじっくり見ることがありませんでした。

人には、瞳に映っていても見えていないことがたくさんあります。


前述書に、小布施のまちづくりの根幹について、こんな記述があります。

《 あくまで中心になるのは住民の自発性。
行政はあの手この手を使ってそれをサポートする。
一方でハード面では、民間の建築活動のあいだを埋める公共施設を建築し、道路・駐車場などの公共空間を整備する。》(122ページ)

「小布施らしさ」という特別な意味を持った舗装である、栗の木レンガを使った歩道整備が、修景地区からその外へと広がっていったことが住民の自発的なまちづくりへの刺激になった、といいます。


3日の佐久総合病院でも今日の小布施でも、やはりそうだと確認できたことがあります。

それは、民間企業や自治体も含めて、すべての集合体・組織といったものの成功と持続性の鍵は、手法は様々あるにせよ、結局はこのような「構成員の当事者意識の醸成と主体的で具体的な行動」に収斂されるということです。


町長さんとは、これを機に、今後も連携していきましょう、と話しました。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月05日23:10

086 一斉フィールドワークの日、佐久総合病院の統括院長に会う



今日は、1学年一斉フィールドワークです。


以前このブログに書いたように、全日制1学年8クラスの生徒が、「いのちと健康」に関する8つのテーマに基づいて設定した県内8コースのフィールドワークに、8台のバスを仕立てて出かけて行きました。


そのうち、佐久総合病院本院→佐久総合病院川上診療所→川上村デイサービスセンター(交流)を訪問する「保健医療コース」の中で、なんと佐久総合病院の伊澤敏統括院長さんが直接生徒に話してくれるいう企画が実現して、私も驚いているのですが、この機会に私も佐久総合病院に行き、その前に面談する時間を設けてもらいました。




佐久総合病院へは何度も来ていますが、初めて行くフロアに案内してもらうと、今日のフィールドワークのことがこんなふうに表示されていました。




「いのちと健康」をメインテーマとする本校のSGHにあって、佐久総合病院は、アソシエイトの時代から最も緊密なパートナーの一つであり、出来るだけ早い時期に伊澤統括院長さんに挨拶をと思いつつ、院長さんがとてもお忙しいということもあり、また私もそれなりにスケジュールがあって、なかなかタイミングが合わず、電話で話したことはあっても、直接お会いする機会がないまま、ここまで来てしまっていたのです。





伊澤統括院長さんの講話からも、直接お会いした時のお話からも、ひしひしと伝わってきたのは、一地方病院であるこの病院が、事業規模が東信地区全事業所の中で最大、農村医療に関しては世界一と言っても過言ではない所まで来られたのは、若月俊一という稀代の医者とその理念に共鳴して全国から集まって来た医師・看護師がいたこと、その魂が形を変えつつも今日まで脈々と受け継がれていること、従って、統括院長を務める伊澤さんも、穏やかではあるが極めて芯のある情熱家であること、でした。


佐久総合病院の理念とは…

《 佐久病院は「農民とともに」の精神で、
医療および文化活動をつうじ、
住民のいのちと環境を守り、
生きがいある暮らしが実現できるような
地域づくりと、
国際保健医療への貢献を目ざします。》

というものですが、これは、1924年に開業したこの病院に、翌1925年に赴任し、翌々年の1926年に院長に就任した若月俊一さんが、長年に渡って実践して来たことを、1999年に1年間かけて文章化したものなのだそうです。

伊澤統括院長さんによると、他の病院と決定的に違うのは、「農民とともに」「文化活動をつうじ」「地域づくりと国際保健医療への貢献」という箇所だとおっしゃいます。

確かに、これらが佐久総合病院を佐久総合病院たらしめているところだと言えるのではないかと思います。


会場となった会議室には、若月さん自身の筆による『農民とともに』という歌の歌詞が飾られていました。




生徒たちは、院長さんの講話に続き、国際保健医療科の加藤医長代理、地域ケア科の工藤課長からも話を聞き、紹介ビデオを観ました。

質問の時間に何人かの生徒が手を挙げて質問していました。

授業中はもっと質問が出るそうで、確かに、普段は別々の全クラスが一緒であり、初めて会って話を聞いた人に対するものなので、状況は理解するものの、例えそうだとしても、「課題を見つける」「解決に向けて行動する」ことを目指しているのだから、いずれは、指名する人が困るくらい次から次へと質問するようであってほしいと思いました。


伊澤院長さんの話にも出てきた、若月さんの著作を、多分本屋では簡単には手に入らないだろうからと、1冊いただきました。




伊澤院長さんも、この本を折りに触れて何度も読み直しているがその都度新たな発見がある、とおっしゃっていましたが、実は私も以前から若月俊一さんのファンで、この新書本を、線を引っ張りながら3回読以上読み返しています。

他に3回以上読み直した本というと、夏目漱石『坊ちゃん』『私の個人主義』、司馬遼太郎『龍馬がゆく』『風塵抄』、浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』、むのたけじ『詞集 たいまつ』I〜III、コミックでは、手塚治虫『ブラックジャック』、秋山ジョージ『浮浪雲』、小林まこと『1・2の三四郎(1・2)』、毛利甚八作・魚戸おさむ画『家裁の人』などなどがありますが、新書では鈴木孝夫『ことばと文化』とこの本くらいだと思います。


午前の部を終え、生徒たちと引率の先生たちは川上村に向かいましたが、私は留まり、午後には、同じく佐久総合病院の色平哲郎先生にお会いしました。

色平先生には本校が一昨年にSGHの申請を初めてした時からお世話になっていて、院長さん同様直接お会いして挨拶をと思いつつ実現していなかった方です。

会談では、特に、医師を目指す学生たちが、若月さんの理念を元に創設されたフィリピン大学レイテ分校に実際に行くことで、大きく変化した様子をお聞きしました。

視野の拡大、動機付け、自身の生き方や目指す方向性の確認・確信の獲得といった点で、SGHの理念と軌を一にしていて、意気投合しつつ、意を強くすることができました。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月03日22:38

085 マデリン先生、Good Luck !



本校に4年間勤務していただいたマデリン(Madilyn)先生の任期が昨日で終了するに当たって、一昨日、教頭、事務長、当日出張等がなく出勤していた英語の先生などが立ち会い、伊藤学司県教育長名の感謝状、高市早苗総務大臣名の特別大使就任証、親和会からの餞別を手渡しました。



マデリン先生は日本語もかなりわかりますが、教頭の進行も私の挨拶も英語で行っていて、上の写真は「前の2つは名誉と証明書ですが、最後は現金です」と(英語で)言って餞別を手渡した場面です。


マデリン先生は、4年間に渡って本校に勤務してくれたことからもわかるように、日本や長野県が大好きで、日本文化を理解しようと努め、付き合いもよく、生徒たちや仲間を大事にしてくれました。

ALTのブロック代表を務めるなど、友人も多く、人望もありました。


母国アメリカに戻って、大学の数学教員になるために大学院に進むそうです。

きっといい先生になると思います。

今後も連絡を取り合い、将来学生同士の交流も実現すればいいね、と話しました。


セレモニーの後、私とのツーショット写真と列席者の集合写真を撮影しました。






マデリン先生の今後に幸多かれと祈ります。


  

Posted by 上田高等学校長. at 2015年08月01日07:29